< 登山のお勉強 >
※これらは私の個人的なやり方・感想ですので
参考程度にご覧ください。
山のマナー
あえて、私がここでこんな事を書くのも変な話だとは思います。
私もまだ知らないことがあるでしょうし、偉そうなことは言えないのですが、実際に山で「あれ?」と思うことって結構多いのです・・・。
とある登山系イラストレーターさんのトークショーにたまたま遭遇したときに「山には特にルールはありません。とにかくどんどん登ってみてください」と言っているのを聞いて、「おいおい」と思ったことも・・・。
たしかに「まず山に行く」ことで自然と親しむ人が増えて欲しいというのはありますし、始めの一歩をとりあえず踏み出してみる、というのも大事なことです。
けれど、山は実際危険も多く「自分の身を守るため」そして「みんなが快適に、安全に登山が出来るようにするため」、「山の自然を守るために」・・・。街には無い「暗黙のルール」や知っておくべきことはけっこうたくさんあります。
知らない方が多いのだとしたら、出来るだけ多くの方に知ってもらいたいな、という想いを込めて、ここでは「暗黙のルール」を中心に、僭越ながらいくつか紹介させていただこうと思います。
最初は知らなくて当たり前だし、マナー違反と怒られることもあるかもしれませんが、少しでも多くの方が知っていって、受け入れてくださると嬉しいです。
ゴミは持って帰る
山では自分が出したゴミはすべて自分で持って帰ります。
稀に回収してくれる山小屋もありますが、登山者の出すゴミの量は膨大なものになり、そのゴミは担いで降ろすかヘリなどで高いお金をかけて運ぶか、焼却処分するしかありません。
焼却処分といっても、山でやったら・・・自然へのダメージは大きそうですよね★
山小屋で買ったジュースのカンなどは、原則回収してくれます。
山ではゴミは全て自分で持って帰る・・・となるとゴミ袋は必須、2枚以上は持っていた方が安心です。
縦走の初日にカレーを食べると、ずっとカレーの香りを持ち運ぶ運命になる可能性が高いです(笑)ジップロックに詰めて圧縮してかさを減らすなど、工夫されている方もいらっしゃいます。
それでも悲しいかな、わざと捨てたのか無意識に落としてしまったのか、山でゴミが落ちているのを目にしないことはありません・・・。
可能な限り、なるべく拾うようにしています。
山の植生を大切に!ロープが張っている場所は進入禁止
ここから先は危険だから、という意味で張られているロープや単に登山道との境目を示すために張られているロープもありますが、多くの場合は植生を守るために人の侵入を防ぐ目的で張られています。
山の植生はとてもデリケートで、中には一度踏まれると枯れてしまう植物もあり、何年もそこには植物が育たなくなってしまったり、特に高山植物は何十年も生えてこなくなってしまいます。
「1人くらい」が踏み入ることで不毛地帯になってしまうのです。
山の植物は繁殖力が弱いものが多く、一度枯れたところに繁殖力の強い外来種などが入ってきてしまうとどんどん生態系は崩れていってしまいます。
珍しい植物をもっと近くで見たくなる気持ちも分かりますが、そうすることでもう見れなくなってしまうかもしれない・・・と思ったら、踏み入りたい気持ちをぐっとこらえて、そっとしておいてあげてください・・・。
三角点、道標などは大事に
三角点や道標の設置はとても大変な作業ですし、登山者を守ってくれるとても大切なものです。
安易にふざけて上に乗ったり、間違っても壊したり、位置を変えたりしないでください。
けっこう、若者が記念撮影のノリでフザケて足蹴にしたり、持ち上げたり、上に乗ったりしているのを良く見かけますが、大切さを知らないんだろうな、と思っちゃいます。。。
人に出会ったら挨拶を
山では登山道ですれ違う時や休憩時に出会った人と、自然に「こんにちは」「おはようございます」と挨拶を交わします。また、道をあけて待ってくれている人にはもちろん「ありがとうございます」とお礼を言います。そして時には「雪渓はどれくらい残っていましたか?」などと情報交換をしたり、「どこから来られたのですか?」などと世間話が始まったりします。
山の開放感で嬉しくなったり、山登りという共通の趣味同士ということで打ち解けるのもありますが、もし遭難などで行方不明になった際に捜索の手がかりとなる目撃情報が残りやすい、というのもあります。挨拶や会話を交わすことで「その人なら山頂で2時頃に会いましたよ。」「○○に行くと言って右の登山道に入りました」などの手がかりが残りやすくなり、早期発見の可能性が高くなります。
まあ実際、目撃情報を残そうと思って話しているわけではないんですけどね(笑)
山で会った人とベラベラしゃべって、「あの人知り合い?」「ううん、知らない人」っていうのはよくあることで、それも山の楽しみの一つです(^ ^)
基本、登る人が優先、下る人は道をゆずる
下りの人は帰路についていることが多いというのもありますが、登りの途中で立ち止まるとペースを崩してしんどくなったり、登る方が下りよりも時間がかかるということなどもあり、登山道が狭くて入れ違えない場合はなるべく登りの人を優先して、下山の人は少し道をよけて通してあげましょう。
道を譲ってあげる場合、譲る方は基本的に安全な山側の方へよけます。崖側によけていたらすれ違いざまに相手のザックがぶつかって滑落、という危険を避けるためです。
けれど、中には「登り続けてるとしんどいから、下る人に先に行ってもらった方がちょうどいい休憩になる」という方もいたり、ツアー登山などで何十人ものパーティが(しかもゆっくりと)登ってくるのを待ち続けるハメになりそうな場合には「すみません、先に下りさせてもらっていいですか?」などと一言ことわって通らせてもらうのもアリです。でないとあまりに長い時間待たなくてはならなかったり、さらに後続のパーティーたちをずーっと待ちぼうけにさせてしまう可能性もあります。(たまーに、これで大渋滞になって全然前に進まないことがある)
臨機応変に、その時の状況によって、みんながスムーズに通れる方法を選んだらいいと思います。
追いつかれたら、道をゆずって追い越してもらう
登山道は多くの場合、1∼2人程度しか通れない所が多く、ペースの違うパーティーがたくさん歩いていると、どうしても追いついたり追いつかれたり、ということが起こります。
走るような猛スピードだけれど「これが普通のペース」という人もいたり、バスの時間や行程の都合などで急いでペースを上げている人もいらっしゃると思います。
後ろからペースの早い人が追いついて来たら、できるだけ「お先にどうぞ」と道を譲ってあげてください。私の場合は「後ろから○名ほど来られてます∼!」と、前を歩いているメンバーに声をかけて道を空けるように呼びかけます。(谷側によけると滑落の危険が高いので、山側に寄るようにしましょう)
ただし、よけようがないほど細い登山道や危険箇所では無理して譲ることはありませんので、安全な場所にたどり着いてから譲ってあげましょう。
結構、後ろから追いついて「すみません、通してください・・・」とは言いにくいものです。何度か、しびれを切らして言ったことはありますが・・・(^_^;)
けっこう、自分に合わないペースに合わせてゆっくりで歩くのも、余計に疲れてしまうものなのです。。。
落石を起こさない、起こしたら「ラク!」と下の人に大声で呼びかける
特にガレ場や岩場では、その気はなくてもついつい石に足をひっかけて落石を起こしてしまいがちですが、ほんの小さな石でも加速をつけて下にいる登山者に大けがをさせてしまったり、時には死亡事故につながることもあります。
岩場でなくても、傾斜の急な登山道では前を歩く人が落とす落石に注意するとともに、自らも落石を起こさないよう注意を払います。
「私は大丈夫」と思ってる方も多いかもしれませんが、けっこう無意識のうちに落としてしまっているものです。私も前の人が落とした落石にヒヤッとしたことはよくありますが、落とした本人は全く気付いていない様子なのです。
とくに初心者は疲労で足がガタガタになっていたり、意識がもうろうとして注意を払えずに落石を起こしやすいので注意。
もしも自分が落石を起こしてしまったら、すぐに下に居る人に向かって「ラク!」(落石、の意味)と叫んでください。
自然に起こった落石を見た場合や他の人が起こした落石の場合も同様に声をかけて、周りの人に注意を呼びかけます。
小屋には原則15時までには到着する
山の夜は早く、朝も早い。山小屋の夕食はだいたい5時頃から始まり、8〜9時には就寝となります。「遅くに来られると夕食の準備や部屋の割り振りに困る」という小屋の都合もありますが、他の宿泊客が疲れて落ち着いたところに遅くに到着してゴソゴソと物音をたてるのも迷惑になります。また、すでに部屋が埋まってしまって、仲間とバラバラの部屋に泊まらざるを得ないことも。
テント場も人気の山だと昼過ぎにはスペースいっぱいになることもあり、地面がデコボコで傾斜した条件の悪い場所や、トイレや小屋から遠い不便な場所に張らざるを得なくなったり、最悪テントを張れないこともあります。
宿泊の場所が埋まってしまうだけでなく、もしも不測の事態が起こった場合、日没で真っ暗になってしまうと行動がしにくい、遭難の危険性が高くなるということもあり、15時くらいまでには小屋やテント場に到着出来るように計画にしておいた方が安全です。
朝の出発も早く、だいたいの方は4時頃に起きて6時には出発する方が多いです。
快適に、安全に山を楽むためにも「早発ち、早着き」が基本です。
小屋は原則9時消灯
多くの小屋では夜9時を消灯としています。
とはいえ早い時間から就寝している方も多いので、電気が付いているからといつまでも大騒ぎは避けたいものです。。。
けっこう、18時くらいから就寝している方も多いです。
それでも実際は、(大きな小屋では特に)消灯ぎりぎりまで大声がこだましてることが多いですけどね。。。
耳栓は必須です(-_-)
テント場は遅くとも8時以降は静かに、
ヒソヒソ声や物音も控える
山の夜はとても早いです。そして朝も早く、たいていの人が4∼5時起き、早い人は夜中から出発します。特にテント泊の方にハードな山行の方は多く、就寝も当然早くなります。
早い人は夕方6時くらいから、遅くともたいていの人は8時には就寝しています。
そんな中、8時を過ぎても騒がしいテントの近くに当たってしまったときは、ハズレくじをひいてしまったような気持ちになります。。。
申し訳ないのですが、たいていそういうテントは若い男女カップルで、女性は山スカでおめかししている確率が非常に高い。(←いや、ヒガミではなく、去年は100%そうだったのです・・・)
キャンプに来た感覚で山の夜を楽しみたい、いっぱいおしゃべりしたい気持ちは分かるのですが、睡眠を邪魔されて明日の体調に響くと命に関わる場合もあるので、こちらとしては死活問題です(^_^;)
そしてシーンと静まり返った夜のテント場では、ちょっとした物音でも周囲に響き渡り、遠くまではっきり聞こえます。はっきりいって、ヒソヒソ声も筒抜けです。
どうか、テント場では8時までには就寝して欲しいです。。。
あと、小屋泊の方がテント場近くで夜中に「うわー、星がきれーい!」とはしゃぐ声で目覚めるのもよくあることです。。。