< 登山のお勉強 >
※これらは私の個人的なやり方・感想ですので
参考程度にご覧ください。
私でも登れますか
自己判断できないうちは要注意
ちょっと危険箇所があるような山行の話がもちあがった時、「私でも登れますか」というセリフ、私もよく言っていました。今でもつい聞きたくなってしまうこともあります(^_^;)
きびしいことを言ってしまうかもしれませんが、これを聞くということは「技術・体力・知識・経験が足りていない」ということ・・・ではないでしょうか。
そして聞かれた方は「あなたが登れるかどうかなんて、そんなの分からないよ」というのが本音だと思います(笑)
でも、「じゃあ登るな」と言ってしまったら誰も山に登れなくなってしまいます。フォローしてくれる人がいる場合は、最初はどっぷり頼って「連れて行ってもらう」登山もアリだと思います。でも、最低限の危険は認識しておく、必要な装備の準備、体力づくりなど、今の自分にも出来ることはあるはず。
出来ることから少しずつはじめて、ゆっくり経験を積んでいくうちにいろんなことが判断できるようになってくることでしょう。
指示や忠告には素直に・・・そして「山は自己責任」
そして、先輩からのアドバイスや現場での指示には出来る限り協力しましょう。
「なんで?」と思ったり「私は大丈夫!」と自信があっても、それは「山の危険を知らないだけ」のことって多いんです。
それでもしあなたが怪我をしたり、怪我させてしまったり、遭難したりすると同行者や他の登山者をも危険にさらしてしまうのです。
以前、危険箇所のある岩稜地帯を縦走していたときに雨が降ってきたのですが「暑いからレインスーツを着たくない」と、言うことを聞いてくれない子がいました。仕方なく歩き出すと、稜線に出た頃からさらに雨も風も激しくなり、次第にその子の足取りが遅くなってきました。他の皆は、一旦そういう状況にあってしまうと簡単に着替えが出来ないことが分かっていたので、稜線に出る前の雨風が弱く、ザックを降ろして着替えられるようなスペースがある場所に居るうちに着替えていたのです。
今思うと、その子は軽い低体温症になっていたのではないかと思います。もしそのまま歩けなくなっていたら・・・当然見捨てる訳にはいかず、全員でビバーク、最悪遭難の可能性もありえました。(無事、夕暮れギリギリに小屋に着けましたが)
そもそも、そんな初心者をリスクの高い山に連れて行っていいのか、という議論ももちろん事前にありましたが、本人の強い意志があったのと、周囲も「出来ることなら連れて行ってやりたい」との思いがあったのか「登山は自己責任」との認識からか、断りはしませんでした。
「まだあなたはやめておいた方がいいんじゃないの?」と言われたら、ムッとするかもしれない。でも素直に一旦受け入れてみて欲しいです。経験者の目から見て「まだこの人は自己判断が出来ない」から忠告しているのだし、嫌われるのを覚悟であえて言ってくれているのですから・・・。
危険な山ほど、必要なのは技術や体力よりも「信頼関係」や「人間性」かもしれない。自分がいくらきちんとしても、一人乱す人がいるだけで全員が巻き添えになる。
そういう意味では、一緒に行くのは不安だなと思う相手に注意が出来ない、それでもあえて一緒に行くという道を選ぶのも「自己責任」のうちだと思っています。
体力があれば大丈夫?
いくら他のスポーツをプロ並みにしていて「体力だけは自信がある!」という人でも、普段からよく山に登っている人には「登山では100%勝てない」と思ってください。
(初級の山やとくに危険箇所の無い縦走では、体力だけでどうにかなることもありますが)
ハードな縦走になると一日に10時間前後、重たい荷物を担いで斜面を上り下りし続ける・・・そんな特殊なスポーツ、他になかなか無いですよね。
「山は初心者だけど体力だけは自信があります!」という人が山でバテるのを、もう何人も見てきました・・・。
毎週山に通ってトレーニングをしたとしても、ほんとに縦走に耐えられるだけの「山の体質」になるには、少なくとも丸1年以上は必要な気がします。
そして山は体力だけでなく「経験」「技術」「知識」が重要な、ちょっと(かなり?)特殊なスポーツです。体力・筋力があればバテないというわけでもなく、絶妙なペース配分や栄養・水分補給、歩き方のテクニック、荷物の詰め方・・・etc. いろんな複合的な要素が絡んでくるのです。
逆に言えば、一般的に体力のない人でも、お年を召した方でも、頑張れば登れるようになるのです。
今はインターネットも発達して、その気になればいくらでも情報を探せますし、雑誌や本で勉強できることもたくさんあります。そして、公開講座や山岳会などで本格的に学んでいくことも可能です。
決してすぐに身につけられることではないので、ゆっくり焦らず、楽しみながらステップアップしていきましょう!